家庭での正しい血圧測定のやり方とは?

家庭での正しい血圧測定のやり方とは?

高血圧は日本人にとって、本当になじみの深い病気です。国民病の1つと言って良いと思います。

日本人は食塩摂取量がとても多いのが理由の1つとして挙げられます。

適正な食塩摂取量というのは、また後日お話するとして、今日は自宅で正しく血圧を測るやり方を説明したいと思います。

血圧が高いから薬を飲んでいる方、薬は飲んではいないけれども、医師から血圧が高めだから注意して下さいねと言われている方は、自宅で血圧を測ることがとっても重要になります

この話も長くなりそうなので、また後日に説明するとして、案外知られていない自宅での正しい血圧測定のやり方をおさらいしましょう!!

【基本の血圧測定のやり方】

1.まず、血圧計はマンシェット(腕に巻く布?帯?のような部分です)を上腕部に付ける【上腕部カフ・オシロメトリック法の血圧計】を用います。手首に付ける血圧計も販売されていますが、現時点では誤差が出たり、正確さに欠けるという理由で推奨されていません。

2.適温の静かな部屋で測ります。暑すぎる部屋でも寒すぎる部屋でも血圧は変動してしまうからです。可能であれば背もたれ付きの椅子に腰かけて測定します。

3.座ってから、数分間(1~2分間)安静にします。

4.上腕部に巻いたマンシェット(布?帯?)が心臓の高さになる位置で、誰とも会話しない状態で測定します。もちろん腕は厚手のセーターなどは脱いで、薄手の服または肌着で測定します。

それは、わかったけど、一体いつ測ったらいいんだい?朝かな?昼間かな?

では、少し細かいやり方も説明していきます。

・朝起きたら1時間以内に測る

・トイレは済ませてから

・朝食前、薬を飲む前

・1日2回の朝と晩(寝る前)に測る

・朝の測定では2回、晩の測定では2回というように、一度の測定では2回測り記録する(1回しか測定しない場合は、その1回を記録に残す)。

・測定の前には、たばこ・お酒・コーヒーやお茶を取らない

・入浴・運動後は最低30分以上は測定しない

・できる限り長期間、継続して測定する

・血圧を記録して、診察の時に医師にチェックしてもらう

一般社団法人 日本腎臓学会2015年出版『医師・コメディカルのための慢性腎臓病生活・食事指導マニュアル』
株式会社東京医学社 29~30頁 参考・改変

どうでしょうか?自宅で正しく血圧を測っていたでしょうか?

以外に、あれ?朝はお茶を飲んでから測ってたな!とか、たばこを一服してから測ってたな・・・など誤ったやり方で測っていた方も多いのではないでしょうか?

それから、とっても真面目な方に多いのですが、1度の測定で3回、5回などとっても多く測定してらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

実は、3回以上測っても2回平均値と「有意差はない」と実験で明らかにされています。なので、3回以上測ることは無意味ということになります。

なので、1度の測定では「2回測れば良い」となっています。何となく、たくさんの回数を測って平均値を出した方がより正確な血圧の値がわかりそうなのですが、そうではないのですね。

また医師の指示により、入浴前に測定を支持されたり、夕食前や就寝前に測定するよう指示されたりしている場合には、その指示に従ってください。

上記の赤色と緑色の四角で塗られている部分は、実は【血圧手帳】に書いてあることが多いです。医療機関で血圧手帳をもらっている方は、今度よ~く手帳の前の方のページを見てみてください。家庭での正しい血圧測定のやり方が書いてあるはずです。(私もすべてのタイプの血圧手帳をチェックしたわけではありませんが、正しい血圧測定のやり方が載っている手帳が多いです。)是非、チェックしてみてください。

それから、せっかく自宅で血圧を測っているのに、記録に残していない方もたまにいらっしゃいますが、と~ってももったいないです。自宅での血圧の値は、医師の治療方針に重要なポイントとなります。

医療機関で測定する血圧の値と自宅での血圧の値は異なります。この差がとてもわずかならともかくとして、かなり差がある方もいらっしゃいます。それに自宅だと基本的には毎日測定しますよね?

診察のため医療機関へ行く時のみ測定している値とでは、また血圧の値の意味合いもかわってくるので、自宅で血圧を測定していたら、記録に残し、是非とも診察のときに医師に見せてください。

医師も治療方針が立てやすくなり、あなたに合った治療を選択してくれるはずです。

自宅で正しく血圧を測り、医師の治療方針に役立てましょう

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